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2017年3月24日

疑似餌【ぎじえ】を使うヘビがいる?

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 カメやトカゲやヘビなどの爬虫類は、あまり頭が良いようには見えませんね。けれども、実際には、かなり知的な行動をすることがあります。
 例えば、ワニガメというカメがいます。もともとは、北米の固有種ですが、日本にも、外来種として、棲みついています。このカメは、疑似餌を使って、獲物を捕えます。
 ワニガメは、舌の一部が、細長い虫のような形をしています。ワニガメが、水中で口を開けて、この部分をぴくぴくと動かすと、ミミズか何かが動くように見えます。これを、餌かと思って、小魚などが近づきます。そこをぱくり!というわけです。
 これまで、水中で暮らす爬虫類では、何種か、似たことをする種が、確認されています。二〇一七年になって、陸上に棲む爬虫類でも、似た行動が、確認されました。
 それは、パフアダーというヘビの一種です。アフリカに分布するヘビです。クサリヘビ科アフリカアダー属に属します。ヒトが死ぬほどの猛毒を持つヘビです。
 パフアダーは、ワニガメのような、特別な疑似餌器官を持ちません。普通のヘビと同じ、二股に分かれた舌を持つだけです。パフアダーは、この舌を、疑似餌に使います。
 カエルの前で、パフアダーが、この舌を、ゆっくりと動かすのが、観察されました。ヘビがよくやる、ちろちろした舌の動きとは、違います。パフアダーは、カエル類に対して、「このように舌を動かせば、餌と勘違いさせられる」ことを、知っています。
 舌に誘われて、カエルが捕食されてしまう場面が、確認されました。
 驚くべきことに、パフアダーは、別の疑似餌も使います。それは、鳥に対してです。パフアダーは、鳥に対しては、尾を疑似餌にします。尾を虫のように動かして、鳥を誘います。鳥が近づいたところで、がぶり、です。
 獲物の種類を見極めて、疑似餌を使い分けるなんて、かなり知的な戦術と言えますね。尾と舌と、両方をこのように使うヘビは、パフアダー以外には、知られていません。
 パフアダーが、どのように判断して、疑似餌を使い分けるのかは、まだ、わかっていません。研究が進めば、ヘビ類の知的な面が、もっと見えるかも知れませんね。
図鑑↓↓↓↓↓には、
残念ながら、ワニガメも、パフアダーも、載っていません。かわりに、日本に分布するヘビが、十種以上が載っています。
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 過去の記事でも、ヘビの仲間を取り上げています。よろしければ、以下の記事も御覧下さい。
ニホンマムシと、アメリカのマムシとは、同じ属か?(2016/8/26)
ヘビを食べるヘビがいる?(2015/7/6)
アオダイショウの祖先とは?(2014/6/23)
ウミヘビがいるなら、カワヘビもいる?(2013/8/12)
ヘビは、耳が聞こえないとは、本当か?(2013/6/17)




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2017年3月20日

食虫植物の進化の謎

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 食虫植物という言葉の響きには、そこはかとなく、怪しさを感じる方も、多いでしょう。じっと動かない植物が、活発に動く昆虫を捕えて食べてしまうなんて、不思議です。
 有名な食虫植物の一種に、ウツボカズラがありますね。ウツボカズラ科ウツボカズラ属の一種です。ウツボカズラ属全体を指して、ウツボカズラということもあります。
 ウツボカズラの特徴は、あの壺型をした捕虫器です。この捕虫器は、普通の葉が変化してできたものであることが、わかっています。捕虫器は、いわば落とし穴です。中に落ち込んだ昆虫が、消化液で消化されます。
 普通の葉が、あんな形になるのは、驚きですね。それ以上に、消化液の存在が、驚異的です。普通の植物は、「ものを食べる」ことをしませんから、消化液など、まったく必要としません。ウツボカズラは、どこから、消化液を作り出したのでしょうか?
 それを解く鍵になりそうなことが、他の植物の研究で、明らかになりました。
 ウツボカズラのような、壺型の捕虫器を持つ食虫植物は、他にも、たくさんあります。同じように、捕虫器に昆虫を落としこんで、消化する植物です。そのような植物の一種、フクロユキノシタで、新たな研究の成果が発表されました。
 フクロユキノシタは、オーストラリアの南西部にだけ分布します。フクロユキノシタ科フクロユキノシタ属に属します。フクロユキノシタ科に属する種は、フクロユキノシタしか、ありません。分布域で見ても、分類学的に見ても、類縁が少ない珍種です。
 分類としては遠縁なのに、フクロユキノシタは、ウツボカズラとそっくりな捕虫器を持ちます。この捕虫器も、普通の葉が変化してできると、わかっています。捕虫器には、やはり、消化液が入っています。この消化液に含まれる酵素【こうそ】が、研究されました。
 その消化酵素は、もともとは、植物が菌類などから身を守るために持っていた分解酵素を、転用したものでした。おそらく、ウツボカズラなど、他の食虫植物が持つ消化酵素も、同じように作られたのでしょう。進化の過程で、生物の遺伝子が、本来とは別の使われ方をして、別の物を作るようになるのは、よくあることです。
図鑑↓↓↓↓↓には、
残念ながら、ウツボカズラも、フクロユキノシタも、載っていません。かわりに、日本に分布する植物が、八百種以上が載っています。
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 過去の記事でも、食虫植物を取り上げています。また、オーストラリア産の植物や動物も取り上げています。よろしければ、以下の記事も御覧下さい。
山火事を察知する? ナガヒラタタマムシ(2016/5/13)
アカシアと、ニセアカシアとの関係は?(2016/2/15)
最も背の高い樹木とは?(2014/2/28)
オーストラリアのサンゴ礁で、数百の新種を発見(2008/9/25)
たくましく生きる食虫植物タヌキモ(2005/11/4)




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2017年3月17日

キンメダイがいるなら、ギンメダイもいる?

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 キンメダイ(金目鯛)は、美味しい食用魚として、有名ですね。タイ(鯛)の名が付きますが、おめでたい席に使われるマダイ(真鯛)とは、遠縁です。
 マダイは、スズキ目【もく】タイ科マダイ属に属します。対して、キンメダイは、キンメダイ目【もく】キンメダイ科キンメダイ属に属します。目【もく】のレベルで分類グループが違うのは、遠縁といえます。遠縁なら、なぜ、タイの名が付いたのでしょう?
 単純に、キンメダイの外見が、マダイに似るからです。体色が赤く、体型も似ています。でも、キンメダイのほうが、ずっと目が大きいですね。この目が、角度によっては、金色に光るように見えます。だから、キンメダイ(金目鯛)です。
 キンメダイの目が大きいのは、深海魚だからです。深海魚には、暗い所でよく見えるように目を発達させたものと、逆に、視覚を諦めて、目を退化させたものとがいますね。キンメダイは、前者です。キンメダイと同じ方法を選んだ深海魚は、何十種もいます。
 例えば、ギンメダイ(銀目鯛)が、そうです。キンメダイと、種名が紛らわしいですね。
 この種名は、ギンメダイが、キンメダイに似ることから、付きました。ただし、ギンメダイの体色は、赤くありません。目が大きいのは、同じです。その目が、角度によっては、銀色に光って見えます。だから、ギンメダイ(銀目鯛)と名付けられました。
 ギンメダイは、以前、キンメダイと近縁だと考えられていました。同じキンメダイ目【もく】に属するとされました。けれども、最近では、この分類は否定されています。
 現在、ギンメダイは、ギンメダイ目【もく】ギンメダイ科ギンメダイ属に属するとされます。ギンメダイ目【もく】には、ギンメダイ科一つしか、科がありません。ギンメダイ科には、ギンメダイ属一つしか、属がありません。類縁の少ないグループです。
 ギンメダイも、キンメダイと同じように、食べられるのでしょうか? 食べられます。図鑑などには、「あまり美味しくない」と、書かれています。
 確かに、キンメダイの美味しさと比べたら、負けるでしょう。しかし、私が食べた感じでは、ギンメダイも、悪くありません。煮付けで食べたら、美味しかったです(笑)
図鑑↓↓↓↓↓には、
残念ながら、キンメダイ(金目鯛)も、ギンメダイ(銀目鯛)も、載っていません。かわりに、日本に分布する魚類が、五十種以上が載っています。
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 過去の記事でも、深海魚を取り上げています。また、「タイ(鯛)」の名が付く魚を取り上げています。よろしければ、以下の記事も御覧下さい。
食べられる深海魚? ハダカイワシ(2017/1/13)
巨大な深海魚とは?(2013/7/15)
深海魚には、長い名前が多い?(2013/1/21)
リュウグウノツカイは、一種ではない?(2011/12/12
おめでタイ!にも、いろいろいます(2008/1/4)




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2017年3月16日

『GPS動く野鳥図鑑400』本日発売!!

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こんな野鳥図鑑欲しかった!GPS搭載!!
mini版は40種の野鳥が、400は400種の野鳥が、動画と解説でお楽しみいただけます。

『GPS動く野鳥図鑑mini』
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『GPS動く野鳥図鑑400』
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2017年3月13日

植物のミステリーサークルとは?

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 アフリカ南部のナミビアという国に、植物でできた「ミステリーサークル」があります。英語では、fairy circle(妖精の円環)と呼ばれるものです。
 ナミビアのナミブ砂漠と、草原との境界地帯に、それは現われます。まばらに植物が生える中に、ぽっかりと、円形に、植物が生えない場所があります。それでいて、円環の周辺の植物は、ひときわ高く育ちます。おかげで、円環の形が目立ちます。
 これとそっくりな「ミステリーサークル」が、オーストラリアにも現われます。出現するのは、オーストラリア北西部のピルバラという地域です。やはり、乾燥した地域です。こちらのものも、英語で、fairy circleと呼ばれます。
 これらのフェアリー・サークルについて、学者さんたちは、頭を悩ませてきました。どうやってできるのか、原因がわからないからです。それが、二〇一七年になって、解決の糸口が見えてきました。ナミビアのフェアリー・サークルについてです。
 フェアリー・サークルの原因については、有力な説が、二つ、対立してきました。シロアリ説と、植物説です。シロアリ説は、地下に棲むシロアリが、サークルを作るとします。植物説は、周囲に高く育っている植物が、サークルを作るとします。
 二〇一七年に公表された研究によれば、なんと、この二つの説を融合したものが、正解でした。シロアリと、植物と、両方の働きがなければ、サークルは生まれません。
 ナミビアのフェアリー・サークルの場合、まず、シロアリの一種が、植物を食べて、空き地を作ります。それは、地下に水を貯めるためです。そこは乾燥地帯なので、シロアリたちは、生存に必要な水を、植物に取られないように、そうします。
 地下に水が貯まると、周辺の食べ残された植物が、それに反応します。根を伸ばして、貯まった水を吸い上げます。このために、植物は、背が高く育ちます。
 シロアリも植物も、乾燥した土地で、何とか水を得ようと活動した結果、サークルができたのですね。植物を食べるシロアリと、根を伸ばす植物とが、常にせめぎ合っている状態です。オーストラリアのフェアリー・サークルも、似た原因でできると考えられます。
図鑑↓↓↓↓↓には、
日本に分布するヤマトシロアリが載っています。
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 過去の記事でも、乾燥地帯の植物を取り上げています。また、シロアリについても取り上げています。よろしければ、以下の記事も御覧下さい。
ルイボスティーは、チャの一種か?(2016/9/26)
ヒトの役に立つ? シロアリ(2016/7/8)
マツバギクとマツバボタンとは、違う? 同じ?(2015/7/13)
サボテンと多肉植物とは、違う? 同じ?(2014/7/25)
クローン女王の攻撃? ヤマトシロアリ(2009/6/15)




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2017年3月10日

グリーンアノールは、侵略されるか?

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 近年、世界中で、外来生物が問題になっています。外来生物とは、本来、そこに棲んでいなかった生物が、何らかの要因で、よそからやってきて、棲みついたものです。
 今、問題にされているのは、人間によって運ばれた外来生物です。人間は、あまりにも急激に、世界中に広がる物的・人的交流を発達させました。このネットワークに乗って、あまりにも急激に、大量に、外来生物が発生してしまいました。
 日本で問題にされている外来種の一つに、グリーンアノールがいます。グリーンアノールは、トカゲの一種です。イグアナ科アノールトカゲ属に属します。本来は、米国南東部、メキシコ、キューバ、西インド諸島に分布します。日本には、いませんでした。
 現在、日本国内では、小笠原諸島と、沖縄本島とに入っているのが確認されています。ことに、小笠原諸島では、問題になっています。小笠原諸島の希少な昆虫類などが、グリーンアノールに捕食されて、壊滅的打撃を受けています。
 このために、小笠原諸島では、グリーンアノールの駆除が行なわれています。小笠原諸島のグリーンアノールは、憎まれる存在です。とはいえ、元はといえば、人間が悪いのですね。小笠原諸島へは、ペットとして持ち込まれたと考えられています。
 ところが、グリーンアノールの本来の生息地では、グリーンアノールが、「侵略される側」になっている所があります。米国のフロリダ州のある島です。ブラウンアノールという、別種のトカゲが、キューバから、外来種としてやってきました。
 ブラウンアノールは、イグアナ科ノロプス属に属します。属が違っても、科が同じなので、グリーンアノールと近縁といえます。本来の分布地は、キューバとバハマ諸島です。
 ブラウンアノールは、生態が、グリーンアノールと似ています。食べ物も、同じです。加えて、ブラウンアノールは、グリーンアノールの幼体をも、食べてしまいます。食べ物や、すみかや、幼体を奪われて、グリーンアノールは、危機に陥りました。
 外来種問題の複雑さが、これで、わかりますね。場所が変われば、加害者と被害者とが、容易に入れ替わります。特定の種を叩けば済む問題ではありません。
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日本に分布するトカゲの仲間が、十種ほどが載っています。
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 過去の記事でも、外来生物を取り上げています。よろしければ、以下の記事も御覧下さい。
ミナミイシガメの不自然な分布(2015/8/28)
日本のヒキガエルたち(2015/5/11)
かわいくても、害獣? クリハラリス(2014/11/24)
水辺の侵略者、アメリカザリガニ(2014/11/10)
ワニに見えてもワニじゃない、ガーパイク(2006/9/16)




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2017年3月 6日

宝石のようなマメ科植物とは?

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 近年は、日本に自生しない植物でも、植物園などで見られるようになりました。例えば、熱帯の植物ならば、温室で栽培されます。日本にはない美しさに、心惹かれることも多いですね。今回は、熱帯に産する、美しいマメ科植物を紹介しましょう。
 最近、各地の植物園で人気なのは、ヒスイカズラです。マメ科ヒスイカズラ属の一種です。つる状になり、独特の、明るい青緑色の花を咲かせます。花は、ちょうどフジ(藤)の花のように、長い房状に垂れ下がります。たいへん見事です。
 その花の色を、宝石の翡翠【ひすい】にたとえて、ヒスイカズラという種名になりました。英語でも、jade vineといいます。直訳して、「ヒスイカズラ」です。
 ヒスイカズラは、日本には自生しません。フィリピンが原産地です。その花の美しさが好まれて、現在は、世界各地の植物園などで、栽培されています。
 英語のjade vineに対して、red jade vineと呼ばれる植物があります。直訳すれば、「アカヒスイカズラ」ですね。けれども、先人は、この種に、もっと素敵な日本語名を付けてくれました。「サンゴカズラ」です。宝石の、赤い珊瑚【さんご】にたとえました。
 サンゴカズラの花も、ヒスイカズラに負けないくらい、見事です。やはり、つる状の植物で、ヒスイカズラと同じく、長い房状に花が咲きます。花の色は、オレンジがかった赤です。熱帯の植物らしい、炎のような色です。原産地は、パプア・ニューギニアです。
 花の色以外は、サンゴカズラとヒスイカズラとは、よく似ています。同じマメ科だからです。ただ、属は違います。サンゴカズラは、マメ科トビカズラ属に属します。
 日本では、サンゴカズラを栽培しているところは、少ないようです。私も、国内では、見たことがありません。サンゴカズラという日本語名すら、普及していません。ネットで検索しても、「サンゴカズラ」では、出てきません。
 サンゴカズラは、日本の植物園でも、もっと取り入れていい植物だと思います。せめて、ネットで、その美しい花を御覧になりたい方は、サンゴカズラのラテン語の学名Mucuna bennettiiで、検索してみて下さい。
図鑑↓↓↓↓↓には、
日本に分布するマメ科植物が、二十種以上が載っています。
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 過去の記事でも、マメ科の植物を取り上げています。よろしければ、以下の記事も御覧下さい。
鳳凰か朱雀【すざく】か? ホウオウボク(2016/12/19)
デイゴは、極楽の花?(2016/5/30)
猿の花とは、どんな植物?(2016/2/1)
クズ(葛)の葉は、「うらみ」がましい?(2010/9/3)
藤(フジ)のつるは右巻き? 左巻き?(2007/4/19)




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